特集 看護するなかの‘慣れ’
体験レポート
習慣化されたなかの死角
森田 和子
1
1国立療養所久里浜病院内科病棟
pp.479-482
発行日 1979年5月1日
Published Date 1979/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918668
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はじめに
医学が今日ほどに進歩していなかった時代,病人の看護は,専ら宗教的愛の精神に基づく行為としてあり,人間への愛を動機とした助力が中心であった.病人のためになることであれば,どんな困難な問題にも立ち向かう勇気を持っていた中世紀のカトリックのシスター(修道女)たちは,手に豆をして病院を建設したという.
看護は疾病そのものを治すことはできないが,疾病の回復を助ける力を強めるために,また死を目の前にした患者に,死の瞬間までの生を,充実した心地よい暮らしができるように,持てる力のすべてを捧げて,患者を援助しなければらなないと思う.
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