映画の時間
—私は見た 運命が変わる瞬間を.—ユダヤ人の私
桜山 豊夫
pp.867
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209758
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第二次世界大戦が終戦を迎えてからすでに70年以上が経過し,戦争を実際に体験された方々も鬼籍に入られた方が多く,ご存命の方々も高齢になっています.再び戦争の災禍を繰り返すことのないように,その記憶を語り継ぐ必要があります.ホロコーストは戦争そのものの記憶ではないかもしれませんが,第二次世界大戦の災禍とは切り離せない記憶といえるでしょう.今月ご紹介する『ユダヤ人の私』は,ホロコーストの実態を明らかにしようとするドキュメンタリーです.
本作は,ホロコーストを生き抜いたユダヤ人であるマルコ・ファインゴルト氏のインタビューで構成されています.ファインゴルト氏は1913年生まれでインタビュー当時105歳でした.1939年にゲシュタポに逮捕され,1945年までにアウシュビッツ,ノイエンガンメ,ダッハウ,ブーヘンヴァルトの4つの強制収容所に収容されたものの辛くも生き延び,戦後はユダヤ人難民への人道支援とホロコーストについての講演活動に取り組んでこられました.
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