映画の時間
―この愛だけは,死なせない.―運命の子
桜山 豊夫
pp.36
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102323
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原題の「趙氏孤児」は,中国の歴史書「史記」の中で描かれているエピソードです.その物語をベースに,中国映画界の巨匠チェン・カイコー監督がメガホンをとった作品「運命の子」をご紹介します.
今から2600年前,春秋時代の中国,晋の国.国王の側近・屠岸賈(とがんこ)は,国王を暗殺し,その罪を宰相・趙盾(ちょうじゅん)と,その息子・趙朔(ちょうさく)にきせ,趙家の一族300人を皆殺しにします.趙朔の妻は国王の姉・荘姫(そうき)でしたが,このクーデターのさなかに男子を出産します.荘姫はその男子を,出産に立ち会った医師・程嬰(ていえい)に託し,自らは自害します.程嬰は孤児となった男の子を連れて,命からがら自宅に戻りますが,彼の妻も男子を出産した直後でした.
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