投稿・活動レポート
令和2年7月豪雨災害対応の保健所による振り返り—その1:災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)の受援
劔 陽子
1,2
,
椎葉 加奈
3
1熊本県県北広域本部保健環境福祉部
2菊池保健所
3熊本県人吉保健所(総務福祉課)
pp.855-859
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209755
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熊本県人吉保健所は,熊本県の南部に位置する,1市4町5村を管轄している県型保健所である.管轄区域の面積の8割が森林で占められ,圏域を貫くように球磨川が流れている.2020(令和2)年7月4日,球磨川が氾濫して管内全域で被害が生じた.特に球磨村,人吉市,山江村,相良村では被害が大きかった.発災直後には管内で43カ所の避難所が開設され,最大1,807人が避難した.そのような中,保健所は,医療機関被災状況把握と医療調整,避難所の立ち上げ・運営支援や避難所における食品を含む衛生環境管理や感染症予防活動,災害廃棄物に関すること等々,さまざまな災害対応に従事した.新型コロナ感染症対応が注目されている時期の災害であり,避難所における新型コロナウイルス感染症対応についてはさまざまなところから原稿や講演の依頼があったので別稿1)を参考にしていただければと思う.しかし,その他の部分については,十分な検証ができていないと感じている.本稿では,特に災害時健康危機管理支援チーム(disaster health emergency assistance team:DHEAT)の活動に関することを,振り返ってみる.
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