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あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書
曽根 智史
pp.138
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209336
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本号の特集は,①保健医療の経済評価の歴史と概要・意義,方法論,②この分野の先進国である英国の取り組みや人材育成の課題など,③本年度から中医協で本格実施された医薬品・医療機器の「費用対効果評価」を中心に,保健医療の経済評価の主要な部分を網羅した前半と,現在,活発な議論が行われている①ワクチン,②たばこ対策・禁煙治療,③がん検診の経済評価の具体的な内容を解説した後半から成っています.
複数の著者が指摘していることですが,「保健医療の経済評価の結果のみで,ある政策の実施を進めるべきか否かを決めるべきではない」というのは,大変重要なメッセージだと思います.医薬品・医療機器であれば,まずその有効性や安全性に関する臨床的エビデンスがあることが前提であり,保健事業においては,社会・文化的条件や国民の安心・安全な生活につながるという公衆衛生上のメリットなど,さまざまな要素を総合的に勘案して判断することが求められます.その中においてこそ,科学的に適切な方法で実施された経済評価が,政策的判断の重要なエビデンスとして生きてくるのではないでしょうか.
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