特集 企業経営と公衆衛生の接点
公共を担う中間組織・団体の現状と課題—NPOを軸とした社会的基盤づくり
柗永 佳甫
1
1大阪商業大学公共学部
pp.294-298
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209121
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公共を担う中間組織
政府に代わる準公共財供給主体として
「中間組織」は,個人と国家をつなぐ役割を持った組織であると定義されている.例えば,労働組合,農協や漁協,生活協同組合,NPO(non-profit organization)法人,私立大学,スポーツ協会,宗教団体などが中間組織・団体に含まれる.このうち,近年,特に個人と国家をつなぐ役割が注目されてきたのはNPOである.特定非営利活動促進法(通称,NPO法)1)が1998年に施行されて20年以上が経過した.内閣府によると,2018年10月末現在,51,697団体の認証NPO法人が活動している2).これは全国のコンビニエンスストアに迫る数であり,また,依然として増加傾向にある.
なぜ,NPO法人は増加し続けるのであろうか.それは,NPO法が施行されて20年以上がたった今でもなお,NPO法人の社会的役割に対する人々の期待が増大し続けているからに他ならない.NPO法人を含むNPOの社会的役割とはいったい何であろうか.まずは,これまでの20年を振り返ってみる.
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