あんてな
中間施設の現状
松下 起士
1
1四天王寺悲田院
pp.628
発行日 1986年9月15日
Published Date 1986/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103637
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我が国では寿命の延びとともに,いま世界に類をみない速さで高齢化が進行している.重度ねたきり老人や痴呆などのいわゆる要介護老人が増加し,社会の緊急課題になっている.これらの問題を踏まえ,昭和60年1月社会保障制度審議会が「老人福祉の在り方について」建議を行い,以降中間施設について,関係者の間で活発に論議されるようになった.建議を受けて同年4月厚生省健康政策局の諮問機関として「中間施設に関する懇談会」が発足した.同年8月,同会は「要介護老人対策の基本的な考え方といわゆる中間施設のあり方について」の中間報告を行い,昭和61年1月「老人保健施設についての考え方(試案)」を発表し現在に到っている.ここでは中間施設の現状を,背景,目的,施策,老人保健施設について要約して紹介する.ねたきりを含む要介護老人のための施設は,特別養護老人ホーム(以後,特養と略す)があるが,今後見込まれる要介護老人の増加に対して,特養増設で対処することは,財政的にも,多様化するニードに対して困難である.
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