特集 インバウンドと在留外国人—その増加と諸課題
在留外国人の医療を取り巻く課題と今後の展望
沢田 貴志
1,2
1神奈川県勤労医療生活協同組合港町診療所
2特定非営利活動法人シェア=国際保健協力市民の会
pp.96-101
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209071
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はじめに
2018年に日本を訪れた訪日外国人は3,000万人を超えた.訪日外国人の近年の急激な増加の背景には,円安局面の継続やオリンピックを前にした観光客誘致の政策などさまざまな要因があり,今後も動向を注視する必要がある.一方で,日本に在住する外国人の数も2008年のリーマン・ショックから東日本大震災にかけての数年を除いて,一貫して増加が続いている1).経済活動や人の移動は活発化しており,今や日本国内で外国生まれの住民がいない自治体はほとんどなくなっている.地域の健康を守るためには,増え続ける外国生まれの住民の存在を前提としておくことが不可欠である.
本稿では,外国生まれの人口の増加が顕著となった1990年ごろから現在に至る経緯と,今後の課題について述べる.
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