診療
海外在留小児てんかん患者の現状と課題
-――在外日系クリニックの視点から
長澤 哲郎
1
,
元田 玲奈
1
1Raffles Japanese Clinic(Singapore)小児科
キーワード:
海外在留小児
,
慢性疾患
,
てんかん
,
医療制度
,
海外旅行保険
Keyword:
海外在留小児
,
慢性疾患
,
てんかん
,
医療制度
,
海外旅行保険
pp.221-226
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002078
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慢性疾患を抱えて海外に在留する小児と家族が直面する問題点につき,頻度の高いてんかんに着目して現状と課題を社会的側面も含めて幅広く検討した.海外では日本とくらべて専門診療の敷居が高いうえ,言葉の壁や治療薬入手など多くの問題が存在するため,家族が戸惑う場面もみられた.また,既往症をカバーしない海外旅行保険が多く,発症後に渡航する場合は高額な医療費が負担となるが,恵まれた日本の医療制度とのギャップに現地で気づく家族が多い.このような現状をふまえ,海外への帯同が決まったら早めに現地の医療事情や薬の入手可否を確認するだけでなく,医療費や支払方法の確認をまず行うようアドバイスすることが望ましい.
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