映画の時間
—ジョージアの巨匠テンギズ・アブラゼ監督,渾身のトリロジー—祈り 三部作
桜山 豊夫
pp.727
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208978
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かつてはグルジアと呼ばれていたジョージアで1967年に制作されたテンギズ・アブラゼ監督の「祈り」は長らく日本では公開の機会がありませんでした.同監督による「希望の樹」(1976年),「懺悔」(1984年)と合わせて三部作とされていますが,今回,3作品が上映されるとのことです.本稿では未公開であった「祈り」を中心にご紹介したいと思います.
白と黒のコントラストが強調された象徴的な場面から映画は始まります.大天使ミカエルあるいは聖母マリアを連想させるような白いコスチュームの女性.悪魔をイメージしたような黒い毛皮をまとった男性.モノクロームの映像が大変,印象的です.
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