予防と臨床のはざまで
臨床疫学ゼミ—保健指導の評価
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.426
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208898
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本稿でも複数回,紹介させていただいた「臨床疫学ゼミ」.2008年7月に開始し,働き盛り世代の生活習慣病や健康障害の予防・臨床に日々取り組んでいる専門職(医師,看護職,栄養士,運動指導士など)を対象として,臨床疫学,研究デザイン,統計手法の基礎を学ぶために開催しています.順天堂大学医学部総合診療科とさんぽ会(http://sanpokai.umin.jp/)に加え,2016年からは日本ヘルスプロモーション学会健康疫学研究部会の共催となり,より広い方々に参加を呼びかけています.
もともとは,私が2007年から3回参加したミシガン大学公衆衛生大学院の疫学セミナー(https://sph.umich.edu/umsse/)にヒントを得て開講しました.同セミナーは米国の公衆衛生大学院の社会人向け疫学セミナーの中でも最古のもので,すでに50年以上の歴史があります.毎年,世界中から300人以上の社会人が夏季の3週間に疫学・統計学の集中プログラムに参加します.いろいろな職種・背景を持つ仲間が,授業だけでなく,学生寮の食事(ミール)プログラムや,「Fun Run」(週末の10kmマラソン)などのさまざまな行事を通じて仲良くなり,20以上あるレベル別の必修・選択プログラムからクラスを選択して,みっちり勉強します.各クラスの最終日には試験もあり,3年通って12単位以上を取得したらcertificationが得られます.夏の間だけ学生に戻ったかのような気分が味わえる貴重なプログラムです.
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