特集 地域保健法20年
高知県における市町村と保健所の連携と協働
川村 尚美
1
1高知県中央西福祉保健所/地域支援室
pp.232-237
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208853
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はじめに
1994年に制定された地域保健法は1997年に全面施行された.同年,高知県(以下,当県)では「地域保健充実強化計画」を策定して,「県は総合的広域的な行政機関として機能強化し専門技術的なサービスを提供すること,市町村は住民の生涯を通じた身近な保健福祉サービスを提供すること」と,それぞれの役割を整理した.これによって,1948年から続いてきた「県保健婦駐在制度」は廃止され,また,駐在制においては,「県・市町村保健師の区別なく地区分担し,そこに活動拠点を置き,担当地区に責任をもった活動をする」とされてきた県保健師は,専門技術サービスを効果的に提供する多くの職種で編成されるチームの一員として新たに位置付けられた.
地域保健法の施行から20年以上が経過した.本稿では,少子高齢化の進展,住民ニーズの高度化・多様化,法制度の整備などによって拡大してきた地域保健活動領域において,当県の市町村や保健所の活動体制はどう変わったか,そして,地域ケアシステムの構築に向けてどのような協働体制を築いてきたのか,また,その中で目指すべき方向性について,保健所保健師の立場から私見を述べたい.
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