特集 市町村保健センター10年の歩み
高知県における市町村保健センター—保健所の立場から
中西 範幸
1
Noriyuki NAKANISHI
1
1高知県立土佐山田保健所
pp.38-41
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207603
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昭和53年,厚生省から国民健康づくり計画の中核施設としての市町村保健センターの構想が発表された.これは,近年の生活習慣の著しい変化に伴い,母子保健,成人病予防,老人保健,健康増進などの保健需要の増大に対処するため,市町村が主体となり地域住民が気軽に健康診査,健康相談,健康教室などを受けることができ,健康に対する住民の自覚を高めるための拠点とするものである.
高知県における市町村保健センターをみるには,対人保健サービスを積極的に展開している高知県の保健所について述べる必要がある.高知県における保健所,保健婦の配置状況は表1に示すとおりである.高知県の保健所は,人口稀薄型ないし過疎型(L型)と支所型(S型)の保健所が多いが,保健所は医師の充足もよく,老人保健法による昭和60年度の一般健康診査は約4割が保健所によって担われており,保健所が市町村保健センター的機能も果たしていると言える.また保健婦は駐在制を取っており,市町村保健婦51人に比し保健所保健婦151人と多いことも高知県の大きな特徴である.ここでは高知県の市町村保健センターの特徴とその活動状況を紹介し,市町村保健センターと保健所の連携について述べる.
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