特集 保健所の機能強化を考える
高知県における地域保健の見直しと保健所の充実強化
田上 豊資
1
1高知県健康福祉部地域保健推進室
pp.1010-1015
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901272
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はじめに
平成9年の保健所再編成,権限委譲に関する法施行まで,残り1年半を切った。地域保健法を受けて全国的に保健所の見直し検討がなされているが,保健所の数の論議ばかりなされ充実強化に関する具体検討が希薄であるとの声をよく耳にする。この法律は基本的な枠組みの法律であり,地方分権の主旨からすれば,地方にいる私たち自身が枠組みの中身に魂を入れる必要がある。数合わせや線引きの検討だけが進み,中身の検討が置き去りになることには大きな危惧の念を抱かざるを得ない。
本県では,平成6年4月,地域保健法の成立に先駆けて地域保健推進室を新設し,過去1年半の間に,親委員会である検討委員会を9回,その専門部会を20回,市町村との協議の場を24回と,精力的に地域保健の見直し検討を行ってきた。昨年末には,基本的な方向性を中間報告としてまとめ,以後,保健所の具体の充実強化方策などについて順次検討を進めているところである。
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