特集 薬局・薬剤師の地域展開—コミュニティ・ファーマシー
残薬と医薬品の適正利用支援プログラム—諸外国のブラウンバッグ運動から学ぶこと
赤沢 学
1
1明治薬科大学公衆衛生・疫学研究室
pp.928-932
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208780
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はじめに
かかりつけ薬剤師に期待される業務として“服薬情報の一元的・継続的把握とそれに基づく薬学的管理・指導”がある1).そして,患者が服用している薬剤などを把握する手法の一つとして注目されているのが“ブラウンバッグ運動”である.これは1980年代に米国で始まったもので,患者が薬剤などを茶色い紙袋に入れて薬局に持って行き,その内容を薬剤師が確認することから名付けられた2).筆者が参加する研究グループでは,日本薬剤師会の支援を受けて,2009年から全国各地の自治体,薬剤師会,薬局グループなどと協力して,この運動を行っている.詳細は高齢者薬物治療適正化研究グループのホームページ3)を参照いただきたい.
本稿では,米国や他の先進国で実施されている薬剤師による薬剤調査(medication review),ならびに国内で行われたブラウンバッグ運動から学んだことを中心にして,医薬品の適正利用を推進するために薬剤師として何をすべきかを述べる.
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