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あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書
西田 茂樹
pp.532
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208694
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本号の特集企画は「食中毒の新たな課題」です.食中毒と聞くと,新たに企画するような内容はないように思われます.しかし,近年,従来は食中毒の主流であった黄色ブドウ球菌,サルモネラ菌,腸炎ビブリオといった細菌を原因とするものが激減し,発生件数ではカンピロバクター,患者数ではノロウイルスが急増して,新たな様相を示しています.また,腸管出血性大腸菌による食中毒の散発発生が続いており,集団発生も起こっています.従来は知られていなかった微生物であるエシェリキア・アルバーティーによる集団食中毒や,食中毒の起因菌とは思われていなかったA群溶血性レンサ球菌による集団食中毒も発生しています.
不勉強のためか,認識不足のためか,私個人は,エシェリキア・アルバーティーによる食中毒や,A群溶血性レンサ球菌による食中毒の出現,またカンピロバクターやノロウイルスによる食中毒の急増は全く予想していませんでした.今回,自分自身の勉強も兼ねて,本特集を企画し,専門の先生方に執筆をお願いしました.食品衛生を専門にされている方々はすでに知識をお持ちかもしれませんが,復習の意味を兼ねてじっくり読んでいただければと思います.保健予防・健康増進を専門としている方々は,食中毒の現状についての知識をお持ちではないと思います.公衆衛生従事者としては,食中毒の知識は持っているべきだと考えます.
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