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あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書
西田 茂樹
pp.816
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208314
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今回の特集は,昨年頃より世間を騒がせた食品への異物混入等を取り上げ,食品の安全・安心の問題を中心に企画しました.
食品に対する危惧というと,今回の特集でも指摘されているように,多くの消費者あるいは主婦の方々は,保存料や着色料といった食品添加物や農産物の残留農薬の問題を挙げられます.これはおそらく人工的に合成された物質を体内に摂取することへの不安に基づいていると思われますが,許可されている物質については科学的に安全性が検証されています.逆に人工ではない自然物質が安全かというと,必ずしもそうではないことは,フグや毒キノコを挙げればすぐにわかります.やはり今回ご指摘いただいているように,添加物等の使用より微生物による食品汚染のほうが健康への危険度は高いことは明らかです.しかし,多くの市民が危険性を認識していないように思われ,その代表的な例として牛肉の生食があり,その結果死者が出る事態を引き起こしました.さらに厚生労働省により牛レバーの生食が禁止されて以降,豚レバーを生食する人が増えた(らしい)ことを耳にすると,あまりの知識の無さに驚いてしまいます.このように多くの市民の食品の安全への知識には不十分な点が多々あると思われます.食品の安全性についての知識の普及はわれわれの責務です.本特集を熟読され,責務を果たす一助にしていただければと思います.
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