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あとがき/投稿申し込み書/著作財産権譲渡同意書
西田 茂樹
pp.504
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208229
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西アフリカにおけるエボラ出血熱は,数多くの犠牲者を出した後,ようやく終息に向かっているようです.幸いにも,今回は世界的大流行になることもなく,また今のところわが国への侵入も起こりませんでした.しかし,今回の経験は,きわめて重篤な感染症が想定できないような(想定していた人もいたかもしれませんが)流行を起こしたことを意味しており,今後,世界のいろいろな場所でも予想外の感染症の流行が起こりうることを教示していると考えられます.また,わが国において昨夏にデング熱の国内発生が起こったことは,今後も国内発生が起こりうることを示しており,今夏も発生を注意深く見ていく必要があると考えられます.さらに,特集でご執筆いただいているように,デング熱や重症熱性血小板減少症候群が,発生がわが国で初めて検知される以前から国内に存在していたと推定されることは,従来発生していなかった感染症についても監視していく必要性を示していると思われます.
わが国においては,周知のとおり,保健所が感染症対策の第一線機関です.保健所は医療機関と連携を取りながら,地域での危険な感染症の発生に目を光らせていかなくてはいけません.また,保健所には一般市民や関係機関からの感染症についての問い合わせに答える業務があります.今回の特集はその際に大変役に立つ内容だと思います.熟読していただければと思います.
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