特集 原子力災害と公衆衛生—避難指示解除後の地域復興に向けて
避難指示解除された楢葉町と南相馬市の地域復興の現状と今後の展望
高鳥毛 敏雄
1
1関西大学社会安全学部・社会安全研究科
pp.336-341
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208649
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はじめに
福島第一原子力発電所事故(原発事故)により福島県の市町村の住民に出されていた避難指示が,帰還困難区域を除いて2017年3月末に大部分が解除される.2011年5月,全国の応援保健師とともに南相馬市に入った時には先行きが見えない状況であったことからすると,避難指示が解除される状況となったことは信じられない思いがする.この間に除染作業が進められ,福島県の市町村に国や県や全国の自治体から多くの職員が派遣され,復興計画の策定や地域の再生作業が進められてきたことによるものである1).本稿では,原発事故後に警戒区域とされ,現在避難指示解除された楢葉町と南相馬市小高区の現状から地域復興の現状を示す.
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