特集 行政保健師の質の保証—卒後教育・CPD
行政保健師に求められる健康政策能力の涵養の現状と課題
佐伯 和子
1
1北海道大学大学院保健科学研究院
pp.883-887
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208561
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地方分権の推進が図られ,自治体ではそれぞれの地域特性にあった健康政策が展開されている.1997年の「地方自治・新時代における人材育成基本方針策定指針」(総務省)では,政策形成能力,創造的能力,法務能力の重要性が,今後一層高まることが指摘されている1).健康政策が国レベルで決定され,予算とともに事業が下りてきた時代には,保健師はPlan・Do・SeeのDoを確実に行うことが主要な役割であったが,分権型社会ではPlan・Do・Check・Action(PDCA)の一連の過程を展開するようになり,役割が拡大された.
つまり,保健師は行政においては技術職であるが,保健医療の技術専門職としてのみならず,政策機能を発揮することも求められているのである.しかしながら,政策的な業務を苦手とする保健師は多い.行政保健師に求められる健康政策能力とは何かを考え,その現状と課題について述べる.
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