特集 難病対策
日本の難病対策の歴史と新たな難病対策
葛原 茂樹
1
1鈴鹿医療科学大学看護学部看護学科
pp.390-399
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208441
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
わが国の難治性疾患克服研究事業(難病克服事業)は1972年の難病対策要綱に基づいて実施され,2015年1月施行の難病法(難病の患者に対する医療等に関する法律)に引き継がれた.この難病克服事業は,国家的政策として“患者数の少ない疾患”(希少疾患;rare disease)に目を向けた世界で初めての制度であり,1つの制度内に,疾患の調査研究事業と患者の社会保障事業を含んでいるという特色を持っていた1).本稿では,スモン研究から始まったわが国の難病対策の歴史と変遷,2009年から始まった制度見直しから2014年5月の難病法成立までの歩みと,2015年の難病法施行後の新たな難病対策を,他の関連制度もからめて概観してみたい.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.