連載 衛生行政キーワード・53
難病対策
海老名 英治
1
1厚生労働省健康局疾病対策課
pp.237-239
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101525
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わが国では昭和47年に策定された「難病対策要綱」に基づき,難病対策が行われてきた.難病となりうる疾患については様々な意見があるが,この要綱では,国として対策を行う疾患の範囲について,いわゆる医学的な観点から「原因不明,治療方法未確立であり,かつ,後遺症を残すおそれが少なくない疾病」および,いわゆる社会的な立場の観点から「経過が慢性にわたり,単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く,また精神的にも負担の大きい疾病」として整理している.
この2つの考え方に基づく疾患について,「調査研究の推進」,「医療施設(等)の整備」および「医療費の自己負担の解消(軽減)」に昭和47年から,また平成に入り「地域における保健医療福祉の充実・連携」および「QOLの向上を目指した福祉施策の推進」に取り組んでいるところである.
本稿では,簡単にこれまでの取組を振り返るとともに,今後の方向性を述べたい.
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