特集 難病対策
小児の難病対策の推進案—新たな小児慢性特定疾病対策
五十嵐 隆
1
1国立成育医療研究センター
pp.401-405
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208443
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医療の著しい進歩により,重症疾患や難病の子どもが以前より長期間生存することができるようになった.左心低形成症候群の子どもは治療により約6割が成人を迎える.また,急性白血病の子どもの5年生存率は8割を超え,約7割の患者が成人を迎える.先進諸国では,慢性的に身体・発達・行動・精神状態に障害を持ち何らかの医療や支援が必要な思春期の子どもや青年が同年代の15%以上を占め,共通の課題となっている1).わが国では一定程度以上の重症度を示す慢性疾患を持つ子どもと家族への支援事業として,小児慢性特定疾患治療研究事業が行われてきた.本稿では,慢性疾患を持つ子どもと家族の問題や同事業の今後の課題について述べる.
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