特集 難病対策
扉
pp.389
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208440
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「難病」とは,明確に定義された疾患の名称ではなく,有効な治療法がない難治性の疾患について用いられてきた言葉です.そのため,難病と呼ばれる疾患はその時代の医療水準や生活環境によって変わってきました.過去に難病とされていた結核,脚気,スモン等がどのような経緯で克服されてきたか,すなわち公衆衛生の歴史を再確認することは,これからの難病対策を考える上で有意義であると思われます.
一方,日本における公的な難病対策は,1972年に「難病対策要綱」が策定され,本格的に推進されてきました.この要綱では,行政対象としての難病の定義と対策の進め方が定められ,難病の病因・病態の解明研究及び診療整備だけでなく,医療費公費負担を目指すこととされました.
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