特集 自治体行政と公衆衛生
地域保健法成立後20年間の保健所の推移と課題
宇田 英典
1,2
1鹿児島県伊集院保健所
2全国保健所長会
pp.27-32
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208340
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保健所を巡る背景の変化
1937(昭和12)年に施行された「保健所法」(旧)は,第2次世界大戦直後の1947(昭和22)年「保健所法」(新)へと全面改正され,保健所の整備については人口10万人に1カ所程度が目安となった.
保健所が中心となって,環境衛生対策や食品安全対策,結核等の感染症対策,母子保健や栄養改善等,多岐にわたる公衆衛生活動を地域密着型で積極的に展開したことにより,わが国の公衆衛生は大幅に改善した.その後,急速な少子高齢化の進展,感染症の減少と生活習慣病の増加等による疾病構造の変化,医療水準の向上,公的介護保険制度の導入,保健サービスに対する国民のニーズの高度化・多様化等を踏まえ,1994(平成6)年に「地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律」(平成6年1月7日法律第84号)(以下,地域保健法)が公布され,3年後の1997(平成9)年に全面施行された.
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