視点
地域包括ケアと保健所医師
宇田 英典
1,2
1鹿児島地域振興局保健福祉環境部
2伊集院保健所
pp.298-299
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401103012
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離島医療とプライマリケア
東シナ海に浮かぶ甑島(こしきじま)の診療所や,奄美大島南端のへき地診療所における離島医療の経験が,公衆衛生で仕事をするきっかけの1つになった.環海・狭小・隔絶性といった地理的特性を有する離島は,産業基盤が脆弱なため,高齢・過疎の進行した地域が多い.しかし,一方では,多くの困難を抱えながらも,子どもから成人,高齢者,障害を有する住民を含め,自然の営みの中で生き生きと,地域とともに生活している.
診療所を訪れる患者に対する診療だけでは,地域住民の健康を守ることは難しい.往診や在宅医療,訪問看護などのアウトリーチはもとより,地域に散在する乳・幼児施設,小・中学校,高齢者・障害者施設での予防接種・健診・入所者ケア,救急医療など,予防から治療,ケアまで幅広い活動が求められる.私たちは地域住民が生活を継続していけるように支援していく直接サービスの提供者であり,医療連携や行政・住民などとの仕組みづくりの役割も担っている.
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