保健所機能の新たな展開—飛躍する保健所
保健所の対人行政の推移と課題
翠川 洋子
1,2
Yoko MIDORIKAWA
1,2
1長野県松本保健所
2豊科保健所
pp.493-495
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900611
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昭和13年に保健所が誕生してから50年余が経過した.50周年を祝って記念行事等を計画した保健所もある昨今である.この50年,日本は戦争,それに続く終戦後の経済的発展,豊かな社会になるとともに成人病,高齢化社会の到来とめまぐるしく変化して来た.保健所もその時代の変遷に対応して変化し,今日の世界一の長寿社会,また世界一低い乳児死亡率を誇る健康国となり,従来の保健所の果たしてきた役割は大きい.
高齢化,国際化,福祉化の時代,昭和62年に総務庁は行政監察の結果,保健所の業務運営の合理化,効率化を図る必要があると勧告を行った.平成元年6月,厚生省の地域保健将来構想検討会は将来の「保健所のあり方」について報告を行った.それらに基づいて,各都道府県では保健所のあり方について具体的に検討しており,すでに新しい体制に踏み出しつつある地域もあると聞いている.筆者は公衆衛生に働くこと10数年でまだ浅薄な身ではあるが,保健所のあり方について,対人行政に私見を述べてみたい.
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