緊急提言
「地域保健法」の成立にあたって—法の精神を生かすためのいくつかの課題
末安 民生
1
1衆議院議員(金田誠一)政策担当
pp.650-651
発行日 1994年8月10日
Published Date 1994/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900978
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公的保健サービスの充実と看護の視点
6月21日,参議院厚生委員会は3点の附帯決議(後述)をつけて地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案(いわゆる「地域保健法」)を可決成立した。国会による審議は終了し,ひとつの山を越えたのだが実はこれからが法の実施についての細部を決める大事な時期である。ご存じのように基本指針と基盤整備についての検討がスタートするからである。
詳細はすでに多くの方々が述べられており,かつ,本誌でも増刊特集を組まれると聞いているので省略するが,本法案の審議の前には1993年1月に公衆衛生審議会・総合部会による,地域保健の総合的な見直しに関する基本的な考え方が示されるとともに,法改正を前提に「地域保健基本問題研究会」が設置されている。そのことを考えると,当然法の第二章をさいて取り組もうとしている「地域保健対策の推進に関する基本指針」の検討には,あらゆる場における公的保健サービスの従事者が発言と内容の検討に参加できることが不可欠である。法の趣旨からいえば,とりわけ市町村の保健婦をはじめ,政策実行者の意見が反映されることが必要である。
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