特集 地域環境保全と健康
環境科学と健康
滝澤 行雄
1
Yukio TAKIZAWA
1
1秋田大学医学部
pp.513-515
発行日 1988年8月15日
Published Date 1988/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207743
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現代ほど,文明の進歩がもたらした環境破壊に挑戦をせまられている時代はない.人間社会に豊かさを与えた技術開発は,多くの不用物,有害物を生みだし,これらが大気を汚染し,水質を汚濁させ,遠く子孫にまで影響を及ぼすに至った.
人間が生命の営みを遂げることができるのは,空気や水などの基本的な生活環境のなかで,他の生物と均衡を保っている場合である.環境保全が生態学(エコロジー)という学問体系のなかで位置づけられているということは,今までのように安易な人間生活が生物・環境系の不均衡への道を早めていることに対する警告にほかならない.
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