特集 環境保全の地域政策
環境保全についての政策科学研究
小野寺 伸夫
1
Nobuo ONODERA
1
1埼玉県立衛生短期大学
pp.257-260
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900783
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◆はじめに
国際社会の重要な政治課題として環境問題が取り上げられるようになってきた.このことは極めて重要な政策発展の過程である.
環境問題は公衆衛生従事者が学際的・国際的視点から本質的に取り組むべき政策課題である.しかしながら近年,しだいに公衆衛生学的アプローチがとりわけ,わが国において退嬰しはじめる兆しが認められる.これは本来,公衆衛生従事者の責任でもあるが,同時に環境問題が政策科学としての基本的踏まえもなく,あまりに多く政治の道具に利用されることにも起因する.
環境保全には人類の謙虚にして創造性の高い英知の結集が求められる.その際,生命尊重の基本理念とヒューマン・エコロジーを基盤とした政策科学の体系化が公衆衛生学的アプローチの復権として期待されるであろう.
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