特集 医学教育と公衆衛生
医学教育の流れ
酒井 シヅ
1
Shizu SAKAI
1
1順天堂大学医学部医史学
pp.442-447
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207496
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■ドイツ医学採用に至るまで
日本における近代医学教育,つまり,西洋医学の系統的な教育の始まりは,安政4年(1857)に長崎でオランダ人ポンペ・ファン・メールデルフォールト(1829-1908)が始めた教育である.しかし,それが全国的な広がりを見せたのは明治に入ってからであった.
明治維新後,朝廷は直ちに西洋医学を公認して,日本の医療を刷新する施策をつぎつぎと打ち出した.同時に,明治2年1月,越前藩医岩佐純と佐賀藩医相良知安を医学取調御用掛に任命している.また,同年11月,早くも「医学校範則」1)を出して,新しい教育の方針と内容を示した.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.