特集 医学教育と公衆衛生
医学教育の改善
吉田 亮
1
Ryo YOSHIDA
1
1千葉大学医学部公衆衛生学
pp.436-441
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207494
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■はじめに
臨時教育審議会第二次答申1)のなかに,芭蕉の言葉を引用して「教育の本質も,常に不易と流行の両面を統一するものとしてとらえなければならないであろう……この両面を統一することを忘れて,前者のみに固執すれば,教育は独断,硬直に陥り,後者のみに流されれば,教育は軽佻浮薄に堕するであろう」という文章がある.たしかに「期待される医師像」とか,卒前において学生が体得すべき「基本的態度」といったものは本来不易のものである.
しかし,アメリカ医科大学協会が1984年に出した「Physicians for the Twenty-First Century」—The GPEP REPORT2)—を引用するまでもなく医学教育を取り巻く環境即ち流行面の変化は激しく,今日ほど医学教育の改革・改善が緊急のこととして社会的に要請されている時代もない.
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