研究
Ames試験による中国産タバコのSalmonella菌TA98に対する変異原性
宋 広舜
1
,
么 淑珍
1
,
王 桂栄
1
,
閆 金録
1
,
金 鈴
1
,
宋 淑玉
1
,
孫 瑞申
2
Guang-shun SUNG
1
,
Shu-zhen YAO
1
,
Gui-rong WANG
1
,
Jin-lu YAN
1
,
Ling JIN
1
,
Shu-yu SUNG
1
,
Rui-shen SUN
2
1天津医学院衛生系環境衛生学教室
2中国タバコ科学技術研究所
1Department of Environmental Hygiene, Tianjin Medical College
2Chinese Scientific and Technological Institute of Tobacco
pp.211-215
発行日 1986年3月15日
Published Date 1986/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207232
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●はじめに
疫学調査(Prospective studyおよびRetrospective study)によりタバコと肺がんとの間の相関が証明されたが,動物実験でもタバコの発がん性についての研究が発表されるようになった,HoffmanおよびWynderら1,2,3)は,タバコのタール成分すなわち煙中の微粒子成分(以下CSCという)がラットおよびイヌにおいて気管支上皮がん,マウスにおいて皮膚がん,およびラットにおいて結合織腫瘍を誘発することを発表した.このCSCは複雑な混合物であって,ここから既に3,000種以上の化合物が分離されている.
最近,発がん性に関する迅速スクリーニング試験法として,変異原性についての生物検定法が発達してきた.この方法を用いてCSCがサルモネラ菌ではreverse mutation,Neurospora crassaではforward mutationを誘発することが証明され4),またネズミの卵巣細胞およびヒトのリンパ球においてsister chromatid exchangeおよびtrans-formationの頻度増加が認められた5,6).
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