特集 女性と健康
女性の心理的自立について
河野 貴代美
1
Kiyomi KAWANO
1
1フェミニスト・セラビィ"なかま"
pp.96-100
発行日 1986年2月15日
Published Date 1986/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207206
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■一つの例から
Aさん(62歳)の話から始めましょう.Aさんはもともと看護婦さんですが,保健婦も,養護教諭の資格も持ち,看護学院で教えてもきました.小柄で若々しいAさんは,とてもその年にはみえません.結婚後かなりたって生まれた1人娘は小学校教師で,まもなく結婚します.夫は高校教師でしたが退職して,現在家で好きな絵ばかり描いているそうです.
久しく会わなかったAさんに最近会ったところ,彼女が怒髪天をつくごとく不満と不平を述べるのが妹と夫のこと.妹は子供(姪)を寄こしてはAさんにいろいろ面倒をみさせお礼の一つもない,夫については,(これがよくわからないのですが),要するに頼りない,話ができない,「お前の勝手にしろというくせにそうすると怒る」というようなことでした.
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