特集 女性と健康
地域保健へのかかわり—愛育班の組織活動を通じて
持田 兆子
1
Yoshiko MOCHIDA
1
1社会福祉法人恩賜財団母子愛育会・母子愛育推進本部
pp.101-106
発行日 1986年2月15日
Published Date 1986/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207207
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■はじめに
「病気になれば医者に行くからいい」と一億すべてそう思っているわけでもあるまいが,昭和58年度国民医療費推計は,なんと14兆5,438億円にもなったという.国民1人当たりにすると,12万1,700円.しかし健康食品は売れに売れ,会費ン拾万円のスボーツクラブは押すな押すなの盛況であるときく.最近「健康づくりに関する意識調査」(厚生省1985年4月調査)が発表された.それによると,成人4人に3人が健康に不安を持ち,5人に4人が運動不足を気にしているという.気にすれど動かず,「健康づくり」と気軽に言うが行動に移すことは難しいもののようである.
ところが,保健とか健康とかいう言葉が,ごく限られた一部の人たちの使う言葉であったころから,「地域の和と健康づくり」をしている婦人の集団がある.それは愛育班員といい,彼女らは保健衛生,医学・医療には全くの素人であるが,公衆衛生の最先端で活動している保健婦と共に地域で活動している.ある時は保健婦に支えられ,教えられ,ある時は保健婦を助けての「保健指導を生業としている人」との共存である.
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