特集 学校保健—心の健康づくりを中心に
情報化社会と性教育
松本 清一
1
Seiichi MATSUMOTO
1
1自治医科大学附属看護学校
pp.741-746
発行日 1985年11月15日
Published Date 1985/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207141
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■はじめに
情報伝達メディアの発達は伝達をスピード化し,広域化した.今日ではあらゆる情報が瞬時に全国に伝えられる.殊にテレビ普及の影響は著しく,日常生活上に多大の利便を与える一方で,社会に種々の弊害をも生み出している.
このような中で,今日,性に関する話題がタブーではなくなったので,それは新聞紙上でも,週刊誌や雑誌でも自由に扱われ,あるいはテレビのような媒体を通じて,家庭の茶の間にまで入り込んでくるようになった.したがって子どもたちは,字が読めるようになれば,あるいは言葉が理解できるようになれば,性に関するあらゆる情報を得ることができるし,性やその魅力をうたった小説やまんがを読むことができる.思春期になって身体的に自分の性に目ざめるようになった少年少女たちは,正常な性行動だけでなく,あらゆる異常な性行動についても情報が与えられ,性感をよび起こすような刺激に絶えずさらされていると言うことができる.
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