特集 公衆衛生の歴史的発展と将来展望
情報化社会と公衆衛生
大島 正光
1
Masamitsu OSHIMA
1
1医療情報システム開発センター
pp.28-33
発行日 1985年1月15日
Published Date 1985/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206980
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■はじめに
人間社会は始めは,自然との戦いから始まったといってよいであろう.それは農耕民族であれ,狩猟民族であれ,自然を相手にしていたことには変りはないであろう.しかし人間社会はそのままで終ることはなかった.やがてエネルギーを求めて工業化社会に移り,その間いろいろの産業が生まれて来たのである.しかしやがて,それが情報化社会へと変って来ているのが現在である.情報化社会においては,いわゆる公衆衛生上の問題はないのかどうかを考えてみると,決してそんなものではなく,むしろ情報化社会に特有の種々の問題があるといわなければならない.工業社会においては,職業病の原因などが問題の中にあったが,情報化社会においては,man-computer systemの問題が生じて来ているといった,問題の転換がみられるわけである.
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