調査報告
3世代家庭における学童の食塩摂取に関する意識と行動
成瀬 優知
1
,
松並 順子
2
,
永宮 民恵
2
,
林 佳子
2
,
菊地 すずゑ
2
,
吉村 やす子
3
,
太田 和子
2
,
藤田 孝子
1
,
鏡森 定信
1
,
渡辺 正男
1
Yuchi NARUSE
1
,
Junko MATSUNAMI
2
,
Tamie NAGAMIYA
2
,
Yoshiko HAYASHI
2
,
Suzue KIKUCHI
2
,
Yasuko YOSHIMURA
3
,
Kazuko OHTA
2
,
Takako FUJITA
1
,
Sadanobu KAGAMIMORI
1
,
Masao WATANABE
1
1富山医科薬科大学医学部保健医学教室
2福井県武生保健所
3福井県南条町役場
pp.408-412
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207068
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はじめに
地域における循環器疾患対策として,脳卒中の家族歴や高血圧等の危険因子を持った人々の把握,およびその人々に対する保健指導や,主婦を対象とした栄養教室等の活動が行われている.私達も福井県南条町において昭和43年より医師会,大学等の協力のもとに,成人を対象に循環器疾患管理を行ってきている.この管理活動では,住民ごとの管理票が作成され,そこには夏の一斉検診の諸成績のみならず,治療状況,生活環境および保健指導の内容なども記載されており,個人の現在の状況を,過去からの経過をふまえて連続的に把握できるよう留意されている.更にこれらの管理票や一斉検診結果をもとに,個人的ならびに集団的に様々な保健指導を行うとともに,一方ではより専門的な知識と減塩食などの実習をうけた生活改善推進員を増員するなど,循環器疾患対策を多方面から行ってきた.その結果,昭和51年前後の食事調査で食塩摂取量は隣接する武生市内で15gであるのに対し1),本研究の対象である南条町のような周辺農村では19〜20gだったのが,昭和55年の同調査では農村部でも14gと,非常に減少してきた2).
このように高血圧者をはじめとする循環器疾患罹患者の把握,ならびにその指導管理も一応恒常化されたことから,私達は次に高血圧者を有する家庭ぐるみの保健予防活動に取り組むこととなった.
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