今月の主題 免疫学の理解とその臨床
免疫学の基礎知識
免疫学進展の歴史と現状
香山 雅子
1
,
上野川 修一
1
,
石川 博通
2
1東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学
2慶應義塾大学医学部微生物学
pp.422-428
発行日 1995年3月10日
Published Date 1995/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402910174
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ポイント
●種痘の成功(1798),コレラ・炭疽病・狂犬病などに対する弱毒株ワクチン予防接種(1879),およびジフテリア・破傷風などの抗毒素血清療法(1890).
●免疫γ-グロブリンの発見(1939),同構造の決定(1959〜66),および免疫グロブリン多様性発現の基盤となる遺伝子再構成の発見(1980).
●主組織適合複合体(MHC)の記載(1936),MHCの多型性と移植免疫との関連(1944〜48),MHCが免疫応答遺伝子である事実の解明(1963),T細胞応答の自己MHC拘束性発見(1974),およびT細胞抗原受容体(TCR)遺伝子の解明(1984)とTCRがMHCに結合した抗原由来ペプタイドを認識する事実(trimolecular complex)の立証(1990〜).
●結核菌菌体成分によるアレルギー反応(1880),補体存在の確認(1901),アナフィラキシー反応(1902),自己抗体の検出(1904)と自己免疫疾患の概念(1956),馬杉腎炎(1933),膠原病の概念(1942),およびIgEの発見(1967)などによる免疫病変(アレルギー)解明の進展.
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