講座 社会福祉協議会と地域保健・4
中途障害者の仲間づくりと医療・保健・福祉の接点を探る試みの中で—脳血管疾患による中途障害者の組織化活動の経験から
松田 泰
1
Yasushi MATSUDA
1
1広島市社会福祉協議会
pp.447-454
発行日 1984年6月15日
Published Date 1984/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206881
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■はじめに
"障害の受容"こんな言葉が,いとも簡単に使われるのは,どうやら,医療,保健,福祉の専門家の間に限られると気がついたのは,それ程以前の事ではない.障害を背負った人々にとって,そしてその家族にとって,実は,この受容という奴,一番厄介な代物なのである.生涯の中途で,障害を背負った人たちやその家族にとっては,その厄介さ加減が並大抵の事ではない.なにしろ,たったこの間まで,社会や,家庭の最前線で汗を流していた人が急に背負い込む障害だからだ.それも脳卒中という病気は,社会の中でも,家庭の中でも,一角の地位や立場を築きあげてきた人に多く発症するところに難しさがある.
取り引き先のエライ人と飲んでいて突然倒れたのでと,若い社員に家まで運び込まれたTさん.旅館をひとりで切り盛りし,しっかりもののおかみと評判だったKさん.
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