特集 肺がん
肺がん集検の現況と課題—地域・職域・特定集団集検
沢村 献児
1
Kenji SAWAMURA
1
1国立療養所近畿中央病院外科
pp.161-167
発行日 1983年3月15日
Published Date 1983/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206663
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日本人の死因は,昭和56年に悪性新生物が脳血管疾患を追い抜いて第1位となった.この悪性新生物死亡の中でも,従来第1位であった胃がん死亡の減少傾向が認められる中で,肺がんの棒上りの急増は,世界に類をみない勢いで進んでいる人口の高齢化とも相まって,早晩,胃がん死亡を上廻ることは確実視されており,必然的に肺がんに対する何らかの対策が取られることが要請されると考えられる.
肺がんに対する第1次予防策としては,禁煙対策が徐々に取られつつあるが,その効果を期待するには程遠く,第2次予防策,即ち肺がんの早期発見,早期治療の有力な手段としての集団検診に期待がかけられている.
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