発言あり
がん死亡率第1位
x
,
w
,
y
,
u
,
v
pp.649-651
発行日 1982年10月15日
Published Date 1982/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206589
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
待ち望まれた(?)第1位
日本人の死因順位の記録は明治33年までさかのぼれるが,これまで死亡率順位で第1位になったのは肺炎および気管支炎,胃腸炎,結核,脳血管疾患,そして今度の悪性新生物の6疾患である.このうち前3者は明治33年からでも半世紀以上,多分それ以前の時代も日本人のトップ死因の座を占めていたわけであろうが,生活環境の変化,栄養の改善,医学医術の進歩などの影響の中でそれぞれ大正年間に死亡率値ピークのモニュメントを残して減少し,昭和26年以降は日本人の死因の主役でなくなった有為転変はご承知の通り.
公衆衛生がこうしたresponsiveな対象を相手にしていた時代はまさに仕事の仕甲斐があったというべきで,その後,保健所黄昏論などが出たのは何といっても脳血管疾患がトップ死因の座についてから.脳血管疾患の死亡率は明治のころからピークをつくることなしに120〜30から160〜70台を上下して劇的な変動をせず,自殺や不慮の事故でも死亡率の変動は最高値が最低値の2倍はあるというのに,脳血管疾患では1.5倍にしかならないわけで,単純な比較は出来ないにしろ安定ぶりはわかろうというもの.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.