発言あり
オリンピック
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pp.377-379
発行日 1980年6月15日
Published Date 1980/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206096
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スポーツや体力づくりとは別物
オリンピック規則によると「どの競技者も宗教,皮膚の色,政治的理由で資格を失わない」,また「競技は個人対個人,団体対団体で,国家間ではない」とあるが,五輪開催時期となると,その時代の国際政治の影響をもろに受け,あちらの国が参加するならこちらでは選手を引き揚げたり,人種差別に対する抗議,果てはゲリラ襲撃事件に巻きこまれたりであった.そして,とうとうモスクワ五輪では,ソ連のアフガニスタン介入に伴い,世界の大国同士の争いにまでエスカレートしてしまった.
近代オリンピックは,参加者が地球全体に広がり,「世界は一つ」「世界平和祭典」にマンモス化していったが,その結果,国家の多大な経済援助なしには運営できなくなってしまった.経済力のない小国は大会開催国にはなれないため,どうしても大国の政治的介入が出てくる.また受け入れ側としても巨大な競技場や選手村などの建設が必要となり,開催のたびに自然破壊が論議される.揚句には,市民生活までも物価高とインフレに脅かされ,最後のつけは,国が多額の赤字として背負込む状態となる.これではオリンピック精神は一体どこへ,ということになる.
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