発言あり
薬剤の自己負担
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pp.227-229
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206052
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高福祉・高負担のバランス
健康保険改正法案が今国会で話題を呼んでおり,その中に,医療費(とくに薬代)の自己負担の問題が含まれている.それらは,医療保険制度の根本に関する問題であり,単独で論ずることは困難である.
医療制度のあり方については議論の分かれるところであり,先進国といえどもその制度に一長一短があり,わが国がそのまま直ちに取り入れられるものはないといってよい.むしろ,部分的欠点はあるにせよ,平均的にみて高い水準の医療を受診者が選択の自由をもって受けられる点で,わが国の方がすぐれているといえる.しかし,利用者にとっては具合のよい制度といえるが,これを悪用するものも多いと聞いている.たとえば,自己の満足できるまで医療機関をハシゴする重複受診がある.また,自己負担に関係のない健保本人などでは,薬剤を指定して投薬してもらうものもあるように聞いている.薬はもらわなければ損のように考えているものもあるようである.ごく一部であろうが,これに迎合する医師がいることも情ない.しかし,やはり病院・診療所の交通整理の混乱,出来高払い制など制度そのものの検討が必要であろう.
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