資料
フィリピンにおける日本住血吸虫症の追跡調査のシステム化とデータ処理法
松戸 修
1
,
田中 寛
2
,
古川 滿信
1
,
稲葉 賢二郎
1
,
佐々 学
1
,
小野寺 伸夫
3
,
黒沢 眞次
2
Osamu MATSUDO
1
,
Hiroshi TANAKA
2
,
Mitsunobu FURUKAWA
1
,
Kenjiro INABA
1
,
Manabu SASA
1
,
Nobuo ONODERA
3
,
Masatsugu KUROSAWA
2
1国立公害研究所
2東大医科学研究所寄生虫研究部
3元国際協力事業団医療協力部
pp.636-641
発行日 1982年9月15日
Published Date 1982/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206586
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住血吸虫対策の効果判定にしばしば年間罹患率が用いられ3,4,7),その変化は陽性率の変化より鋭敏であるといわれている.年間罹患率を求めるには,第1回目の検査の陰性者をほぼ1年後に再検査して陽性者を検出し,その陽転率を計算する.日本のように保健所や学校の機構が完備されたところでは陰性者を1年間管理することは容易であり,特別の配慮なしに年間罹患率が求められる.
しかしながら開発途上国における症例管理は極めて困難な問題が多い.各人の姓名の書式の不安定さ,生年月日の不確実さ,小学校においても,長期,短期の欠席者の多いこと,家族ぐるみの移動の激しさ等が全てを困難にし,それに加えて保健所の機構がなかったり,学校における学童の掌握も十分でない.これらの問題を含んだ地域で,症例を追跡し,年間罹患率を求める試みを行った.
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