特集 老人保健と老人福祉
今後の中高年及び老年者の健康と保健福祉
磯 典理
1,2
nORIMICHI ISO
1,2
1大手前女子短期大学
2大阪大学医学部
pp.706-710
発行日 1981年9月15日
Published Date 1981/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206384
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■中高年者問題
人口の高齢化が進むということは,社会構造が変わることである.この変化は先進国が経験したよりはるかに激しい速度で量的および質的に社会が変動していくところに問題がある.さらに特徴的なことは,老年人口が急激にふえることは当然,老年の前段階の生産年齢人口である中高年人口の増加がなければならないことである(中年:45歳〜54歳,高年:55歳〜64歳,老年:65歳〜)(表1).
高齢化社会が国民の前に大きくクローズアップしてきた昭和38年頃,わが国の老人対策は西欧諸国に比し非常に立ち遅れていたこともあって,65歳以上の要保護老人に対し西欧なみの老人像を理想として集中的に種々の施策が立てられた.したがって結果的には中高年層に対しての対策や研究はおろそかにされてきた.
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