研究
東北住民の循環器検診後の管理成績における統計学的研究—(第1報) Scoreによる血圧水準と尿一過性陽性頻度
土屋 真
1,2
Shin TSUCHIYA
1,2
1宮城県栗原保健所
2宮城県大崎保健所
pp.368-373
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206094
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筆者が関係した宮城県内の農漁村に備えてある,循環器の「検診票兼管理カード」の経過観察成績を検討したので報告した.
(1)約10年問の尿有所見者の一過性陽性頻度をみた.平均受検回数は5.4回であり,農村N町の30歳以上の男1,752名,女2,223名の成績である.一過性尿蛋白陽性頻度は男女とも約75%,一過性尿糖陽性頻度は約60%,一過性尿ウロビリノーゲン(⧺)以上頻度は約80%であって,次回検査で消失する可能性が大きい.
(2)初回検診後10年間のN町の脳死頻度は,男60歳未満群で1,291名中1.2%,60歳以上群で461名中17.4%,女60歳未満群で1,695名中0.5%,60歳以上群で528名中11.4%.最大血圧150mmHg以上180mmHg未満群の脳死は,男60歳未満1.2%,60歳以上16.3%,女60歳未満0.7%,60歳以上6.9%.ことに最大血圧180mmHg以上群の脳死も,男60未満11,7%,60歳以上39.8%,女60歳未満7.0%,60歳以上31.7%であって,年齢・血圧が高いほど高率である.
(3)N町の40歳以上高血圧男女787名の初回検診後10年間の脳死を,眼底所見別にみた.K. WO群およびI群7.4%,K. WHa群以上19.8%で,眼底所見が進むほど脳死頻度は明らかに高い.
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