特集 公衆衛生における栄養
公衆衛生における栄養
田中 平三
1
Heizo TANAKA
1
1大阪市立大学公衆衛生学
pp.80-89
発行日 1980年2月15日
Published Date 1980/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206020
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■公衆衛生学と公衆栄養学
主たる観察対象が細胞(分子)レベル,個体レベル,集団レベルであるかどうかによって,医学は基礎医学,臨床医学,公衆衛生学に分類されている.栄養学も広義の医学の中に包含されていることから,この医学分類に対応させ,観察対象に基づいて,基礎栄養学(栄養生理学,栄養生化学,特殊栄養学),臨床栄養学(病態栄養学),公衆栄養学に分類されている1)2)3).公衆衛生学と公衆栄養学は観察対象が同じで集団レベルであること,目的が同じで集団の身体的・精神的・社会的健康の維持・増進をはかるものであること,地域医療の概念の下に実践を伴うものであること,などから,両者は"競合"の関係3)にあると言われている.筆者は,両者の競合,差異に対して実践活動論の立場から考察を試みた.
地域における公衆衛生活動は,次のステップを踏んで展開されている.
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