特集 80年代の展望—保健・医療・福祉
〈とびら〉80年代を迎えて
橋本 正己
1
1国立公衆衛生院衛生行政学部
pp.5
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206000
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70年代を送り,早くも80年代を迎える.筆者は戦後30余年を日本社会の激動の中で,一貫して公衆衛生の行政,教育,研究にとりくんできた一医学徒として,歳月の流れの速さとその間の社会と健康の移り変わりの激しさを改めて強く感じさせられている.
国民皆保険の達成,日米安保,所得倍増計画に始まった60年代には,高度経済成長の半面で公害問題の激化,保健問題の質的変化,日常生活としての健康観の深まりなどによって,公衆衛生は在来のあり方を基本的に問われ,保健所再編成やコミュニティ・アプローチがとりあげられるとともに,医界では包括医療,地域医療の論議が盛んになった.
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