特集 感染病の国際的動向とその対策
感染症流行予測事業の概要とその成果
末満 達憲
1
,
長谷川 慧重
1
1厚生省公衆衛生局保健情報課
pp.881-885
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205986
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■はじめに
流行予測事業は昭和37年に開始して以来,本年で18年目に至っている.顧みれば,この間香港カゼ・ソ連カゼの流行,風疹の大流行,予防接種法の全面改正などさまざまな出来事があり,防疫行政の標的が腸管系感染症を中心とする細菌疾患からウイルス疾患に移ってきたが,一方,国際交流の激化に伴いコレラの発生を見たり,国際伝染病対策が必要になるなど大きな変化を経てきたのである.
ここに本事業を紹介するにあたって,流行予測が防疫業務の大きな柱である感染症サーベイランスの中でいかなる地位を占めるかを反省し,その中で今後進むべき方向を展望しつつ稿を進めたい.本事業の概要にも触れるが,詳細は昭和47年以来「伝染病流行予測事業報告書」としてまとめられており,また諸誌に解説1)〜8)がなされているので,それらを参考にされたい.
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